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ペンタゴンペーパーズ/最高機密文書

「ペンタゴンペーパーズ/最高機密文書」感想!衝撃のラストまでを簡単に振り返る

投稿日:2018年3月30日 更新日:

2018年3月30日、スピルバーグ監督の新作映画「ペンタゴンペーパーズ/最高機密文書」が日本公開されました。

 

公開早々、朝一番で映画を観に行ったのですが、
感想は一言で言うと「圧巻」で、考えさせられるシーン、グッとくるシーンが満載でした。

 

今回は、映画「ペンタゴンペーパーズ/最高機密文書」の感想や、
観ていてグッときたシーンを簡単に振り返っていきたいと思います。

 

*この記事にはネタバレが多く含まれているのでご注意ください。

 

「ペンタゴンペーパーズ/最高機密文書」のあらすじや見どころはこちら
「ペンタゴンペーパーズ/最高機密文書」のネタバレあらすじと見所を紹介!

 

「ペンタゴンペーパーズ/最高機密文書」の感想

「ペンタゴンペーパーズ/最高機密文書」は
ベトナム戦争に関する機密文書の公開をめぐって奮闘するワシントンポストの編集者たちの戦いの物語ですが、

 

映画の中では主役であるキャサリングラハム(メリルストリープ)やベンブラッドリー(トムハンクス)以外にも、
様々な登場人物たちの人間模様が描かれています。

 

一番最初の戦地でのシーン

映画はまず、ベトナム戦争での戦地でのシーンから始まります。

 

戦地ではこれから戦いに挑みにいく兵士たちが戦闘の準備をしており、
のちに文書をリークすることになるダニエルエルズバーグは戦況調査ということで現地に赴いて戦況をまとめていました。

 

その後ダニエルは帰国する飛行機の中で「今の戦況についてどう思う?」という質問を政府関係の仲間にされると、
「泥沼にはまっている」と答えます。

 

ダニエルやその他政府関係者はアメリカに到着すると記者たちに「現在のアメリカの戦況」について質問をされるわけですが、
そこでは政府は「アメリカは勝利に向かって突き進んでいる」という嘘の報告をします。

 

政府はアメリカがベトナム戦争で勝つ見込みなどないことを知っていたにもかかわらず、

国民を欺き若き兵士たちを戦地に投入し続けていたのです。

 

戦地のシーンでは最後にベトナムで暗い森の中を進んでいく兵士たちの姿が映し出されるわけですが、
現地のゲリラ作戦にはまって彼らは犠牲に。

 

このシーンによって映画を観ている我々にも、
ベトナム戦争の現地では多くの兵士が犠牲になっている事実が突きつけられたわけです。

 

ダニエルエルズバーグの孤独な戦いの始まり

当時ダニエルエルズバーグは軍の戦略立案や研究を目的とする「ランド研究所」という施設で働いていたわけですが、
そこでダニエルはベトナム戦争に関する機密文書の存在を知ります。

 

戦地での調査を行っていた経験もあり、
ダニエルは政府が国民に真実を隠し続けていることが多くの兵士の命を奪っていることを知るわけです。

 

人一倍正義感の強いダニエルは膨大な量の機密文書を数ヶ月という期間をかけて少量ずつバレないようにコピーしていき、
のちにニューヨークタイムズやワシントンポストの記者たちに文書をリークしていくことになります。

 

ダニエルのこうした作業は何があっても人に知られてはならないもの。

 

すなわちダニエルは政府と新聞社との間の内通者として孤独に戦い続けていくことになるわけです。

 

映画ではダニエルのシーンは全て暗い部屋の中で繰り広げられていましたが、
これもダニエルの孤独感を演出するための工夫だったのかもしれません。

 

政府が「多くの犠牲者を出しながらも戦争を続ける理由」についてダニエルが語るシーンが後半に出てきますが、
ダニエルは「70%は”アメリカ敗北”という不名誉を回避するため。その70%のために多くの若き兵士たちが命を落としているんだ」
と述べています。

 

政府の歪んだプライドが数え切れないほどの未来ある命を奪っていたというのは何とも許しがたい話です。

 

文書公開を決意するまでのキャサリン

ダニエルのシーンが終わるとキャサリンやベンといったワシントンポストの記者たちのシーンが中心ん衣なっていきます。

 

キャサリンはワシントンポストのトップに立つ人間ですが、
その地位は彼女自身が望んだものではなく、
先代の父親と夫が亡くなったために止むを得ずトップに立たされていたのでした。

 

当時女性の権利というのは現代のように強くはない時代。

 

上層部の会議に出席するも彼女の意見は軽んじられ、
まさに「名ばかりのトップ」という立場にありました。

 

映画前半でのキャサリンの性格を一言で表すと、
「自己主張はするが決断力がなく、気弱な女性」
といったところでしょう。

 

こうしたキャサリンの性格はペンタゴンペーパーズを世に出すか否かという場面でも現れます。

 

ダニエルがリークしたペンタゴンペーパーズはまずニューヨークタイムズが一番に報じることになるのですが、
政府の怒りに触れ差し止め命令が出されてしまいます。

 

そんな中でも彼女の部下であるベンは文書の公開を主張し続けるのですが、
自分たちのやろうとしていることはスパイ防止法に抵触する行為。

 

決断力の弱い彼女には到底そんな危険を冒す勇気などありません。

 

最初から最後まで”決してブレない”ベンブラッドリー

ベンブラッドリーはキャサリンがワシントンポストのトップについてから彼女が雇った人物で、
社内の出版主幹を担っていました。

 

彼の性格を言葉で表すと、
「自分の信念を絶対に曲げない」
「誰がなんと言おうとも自分の意見を貫き通す」
「怖いもの知らず」

といったところでしょう。

 

悪く言えば
「わがまま」で「バカ」
なのかもしれません。

 

ただ、「バカこそ最強」という言葉もあるように、
彼の危険を顧みず目標達成に向け一心に突き進んでいく行動力こそが世界の運命を変えたと言っていいでしょう。

 

文書を公開したことによってニューヨークタイムズは政府から起訴されてしまうわけですが、
そんな中でもベンは社内の上層部で唯一「文書を公開すべきだ」と終始主張し続けた人物です。

 

キャサリンが文書公開を決意した後、ベンは文書の情報源(ダニエル)がニューヨークタイムズと一緒であることを知り、
このまま公開すれば自分たちは投獄される恐れがあることを知ります。

 

それでもベンの心が揺らぐことはありませんでした。

 

ベンにとっては「投獄されることなんてクソ食らえ!」なんです。

 

投獄を恐れてこのまま真実が闇に葬られてしまうことはベンにとって絶対に許せないことだったんですね。

 

彼ほど自分の正義を信じ強い意志を貫き通せる人が今の世の中にどれほどいるでしょうか?

 

我々が人生で何か決断を迫られた時、彼の勇姿は我々の背中を押してくれるものになるかもしれません。



 

キャサリングラハムが強い女性へと変貌を遂げた瞬間

キャサリンが「決断力の弱く気弱な女性」から「強く勇ましい女性」へと変貌を遂げたのは、
文書の公開を決意した瞬間でした。

 

ベンはペンタゴンペーパーズの公開を主張し続けるものの、
最終的な判断を下す権限を持つのはトップに立つキャサリン。

 

全てはキャサリンの決断に委ねられていました。

 

上層部の人間たちが内戦を通じて話し合う場面で、
キャサリンはいよいよ決断を迫られます。

 

そしてついにキャサリンは「ペンタゴンペーパーズ公開」を決意し、部下たちに命令します。

 

“Let’s….Let’s…..Let’s go!! Let’s go!! Publish!!!!”
(やるの・・・やるのよ・・・やるのよ!!出版するのよ!!!)

 

悩んだ挙句に決意したキャサリンの言葉に驚きを隠せない上層部。

 

そして笑みを浮かべるベン。

 

歴史が変わった瞬間でした。

 

その後上層部の人間からは反対され続けるものの、
生まれ変わったキャサリンは自分の意見を決して曲げることはありません。

 

その後キャサリンが自宅で娘と話すシーンがやってきます。

 

ペンタゴンペーパーズを公開して罪に問われれば自分が投獄されるだけでなく、
全社員、そしてその家族の人生にも悪影響が及びます。

 

意を決して決意はしたものの、キャサリンは「父や夫や築き上げてきた会社をこれでつぶすことになる」と落胆します。

 

職場では強気な姿勢を見せていても、家に帰りオフモードになるとやはり弱気になってしまうんですね。

 

しかしそれでもキャサリンの決断は変わりません。

 

そして再び会社での場面。

 

相変わらず上層部から決断を変えるように促された時、
キャサリンから名言が飛び出します。

 

「この会社は今は父の会社でも夫の会社でもない!私の会社よ!私の決定に従えない者はこの会社にはいらないわ!」

 

かつて肩身の狭い思いばかりしてきたキャサリンからこのような頼もしい言葉が出てくるとは、
当時の誰が想像したでしょう。

 

キャサリンの「強い女性」としての姿はその後の文書公開をめぐる裁判でも垣間見ることができます。

 

裁判所の外では国民たちが大量に群がり
”報道の自由を!”というプラカードを掲げ反戦を訴えています。

 

裁判が終わるとキャサリンは裁判所を出て行くわけですが、
その際キャサリンは人ごみの中で列をなす女性たちに見守られながら裁判所を後にしていきます。

 

キャサリンを見守る女性たちは言葉こそ何も発しないものの、
その目は明らかに「強い女性に対する尊敬の眼差し」でした。

 

キャサリングラハムがアメリカにおける女性のヒーローとして認められたことを示すシーンだったと言っていいでしょう。

 

思わず涙が出てきそうになるシーンでしたね。

 

アメリカ国民も政府と戦っていた

映画では新聞社の記者たちにスポットが当てられていますが、

アメリカ国民も彼らと同様、反戦を訴えながら政府と戦っていたのです。

 

映画ではニューヨークタイムズがペンタゴンペーパーズを公開してから国民が反戦デモを起こしている様子が映し出されますが、
デモの一体感、国民の結束力はなんともすごいものでした。

 

「アメリカらしいなあ」と思ったのは、
楽器を演奏し歌いながら反戦を訴えている人や、
少数の小さな取り巻きを作ってスピーチをする人など、
デモにもいろいろなやり方があるということです。

 

それでも彼らには共通の目的があり、
同じ街中で違うデモのやり方をしていても彼ら全員の心は通じ合っているのです。

 

日本のどこぞの団体がやるようなデモとは訳が違います。

 

政府のやり方に疑問を抱きつつも逆らえなかった人もいるのでは?

キャサリンが裁判所に到着した際、一人の若い女性がキャサリンに話しかけます。

 

その女性は政府の代理人として働く女性。

 

つまりキャサリンとは”敵側”にいる女性です。

 

しかしその女性がキャサリンに言った言葉は衝撃的なものでした。

 

彼女は「これは内緒にしておいて欲しいんだけど」と前置きした上で、
「兄が今ベトナムにいるの。だから絶対(裁判に)勝って!」

と告げます。

 

その後その女性は「こんなこと言ったことがバレたらクビになるから絶対誰にも言わないでね」と言って去っていきます。

 

この女性は数多くいる政府関係者の一人に過ぎませんが、
当時の政府には政府のやり方に不満を抱きつつも口を挟めず言いなりにならざるをえなかった人たちがたくさんいたことがこのシーンから分かります。

 

そんな中でも自分の正義感を優先して世界を変える決意をしたのがダニエルエルズバーグという人物だったのではないでしょうか?

 

ニクソンは悪者として描かれているが・・・・

当時の大統領、ニクソンは映画では絶対的な悪者として描かれています。

 

しかし、彼もまた大統領になった際に、それまでのホワイトハウス

のやり方に従わざるをえなかった人物だったのではないでしょうか?

 

仮に彼が「こんなのは間違っている!」「国民に真実をすべて伝えるべきだ!」と主張していたとしても、
周りの人間が全力でそれを阻止したでしょうし、
下手をすれば命も狙われていたかもしれません。

 

そんな考えをしようという気にすらさせられなかった、
「悪に染まることが宿命だった」ある意味悲劇の人物なのかもしれませんね。



 

「ペンタゴンペーパーズ/最高機密文書」の衝撃のラスト

映画「ペンタゴンペーパーズ/最高機密文書」は衝撃のラストで締めくくられます。

 

シーンは民主党本部で警備員がパトロールをするシーン。

 

「何者かがウォーターゲートに侵入した」との通報がなされ、
そのままエンディングへと繋がっていきます。

 

そう、ペンタゴンペーパーズ事件の翌年に起きた「ウォーターゲート事件」の伏線だけを残し映画は終了するのです。

 

ペンタゴンペーパーズ事件で新聞社が裁判に勝った時点でスッキリと終わらせず、
この後に起こる事件の予兆だけを引き起こして終わるという、
なんともゾクゾクさせられるような終わり方でした。

 

「スピルバーグの(いい意味での)意地悪さが出てるなー」
という感想を抱きましたね。笑

 

「ペンタゴンペーパーズ/最高機密文書」の感想まとめ

映画「ペンタゴンペーパーズ/最高機密文書」の感想を印象深いシーンとともに振り返ってきました。

 

ヒューマンドラマでありながらアクション映画のようなハラハラ感を感じさせられるのは、
やはり政府と戦う人たち(ワシントンポストやダニエル)の仕事の現場がまさしく”戦場”だったからでしょう。

 

私がこの映画において総じて感じた感想としては、

「正確な歴史を後世に伝えていくのがいかに難しいか」

ということです。

 

ペンタゴンペーパーズで描かれている時代にはまだSNSなんてものは存在しておらず、

世間に情報を伝える手段は白黒テレビや新聞しかありませんでした。

 

しかし現代はスマホを少し操作するだけで様々な情報に触れることができます。

 

そんな中で私たちが得た情報が本当に正しいかどうかというのは、

見抜けるものもあれば見抜けないものも多いと思います。

 

「本当に正確なのだろうか?」と疑問を挟む余地があるならまだしも、

何の疑問も抱かずに信じた情報が実は「裏で操作された誤った情報だった」という可能性もあるわけです。

 

今世の中で起きていること、これまでに起こってきたことに対し「常に常識を疑う」という視点を持つ必要があるかもしれません。

 

この映画の元になっている実話に関してはこちらの記事に詳しく書いてあります。

「ペンタゴンペーパーズ/最高機密文書」の実話の内容とは?【当事者たちの現在】

 

また、主人公のキャサリングラハムの生涯についてはこちらの記事に詳しく書いてあります。

キャサリングラハムの生い立ちから経歴、現在【ウォーターゲート事件に影響を与えた人物だった】

 

ぜひ実話の内容とも比較しながら映画を楽しんでみてください。

 

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